手作りと、読書と、あれこれ・・・

京極夏彦// 虚言少年 オジいサンの次は、少年。

虚言少年

虚言少年


ただ、少年たちのさわやかな成長の物語・・・。とは言えないんだぁな。

少年小説につきものの熱い友情は、ないとはいえないけれど、どちらかというと「おもしろいこと」を目指すための手段のようなもの。一人でいるよりは、仲間がいたほうがよりおもしろいから。

毎日巻き起こる事件は、確かに昭和のあの時期、身近にあった「小学校でのあれこれ」そのもの。だけれど、それを見る少年たちの視点がどうも偏っている感じが・・・。

テイストとしては、おじいさんに近いものを感じるのだが、子供の分だけもうちょっとアクティブではある。けど、冒険も、チャレンジも、もちろんLOVE要素なんかも全然ない。ほのぼのしていないし、おおらかでもないし・・・。どちらかというと憎たらしいガキを演じているこの少年たちが、なぜだか愛しくなってくるのだ。

女子から見たら、信じられないけれど、案外男子ってこんな感じだったのかな、なんて懐かしく思ってはいけない。ここにいる少年はタダの少年では無い。努努だまされませんように・・・。