京極夏彦// 虚言少年 オジいサンの次は、少年。
- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/07/26
- メディア: 単行本
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ただ、少年たちのさわやかな成長の物語・・・。とは言えないんだぁな。
少年小説につきものの熱い友情は、ないとはいえないけれど、どちらかというと「おもしろいこと」を目指すための手段のようなもの。一人でいるよりは、仲間がいたほうがよりおもしろいから。
毎日巻き起こる事件は、確かに昭和のあの時期、身近にあった「小学校でのあれこれ」そのもの。だけれど、それを見る少年たちの視点がどうも偏っている感じが・・・。
テイストとしては、おじいさんに近いものを感じるのだが、子供の分だけもうちょっとアクティブではある。けど、冒険も、チャレンジも、もちろんLOVE要素なんかも全然ない。ほのぼのしていないし、おおらかでもないし・・・。どちらかというと憎たらしいガキを演じているこの少年たちが、なぜだか愛しくなってくるのだ。
女子から見たら、信じられないけれど、案外男子ってこんな感じだったのかな、なんて懐かしく思ってはいけない。ここにいる少年はタダの少年では無い。努努だまされませんように・・・。