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新しい米澤穂信、『折れた竜骨』

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)

折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)


ファンタジーの定義は、いろいろあると思うけれど・・・。
中世ヨーロッパ風な時代、魔術、お城、戦士、などあれば、ほぼファンタジーなのかな。イメージとしては、ファイナルファンタジー?!
タイトルは、何だか海洋小説っぽいなぁ。


ただ、米澤穂信の書かれた本作は、やっぱり「ミステリー」だと思う。
米澤さんの、多彩な引き出しの一つとして大変気持ちよく読みました。
主人公の少女が、実にしっかりしていて本当に気持ちがいい。
真摯で、繊細で、やさしくて、力強くて、公正で、自立的で・・・。


小市民シリーズや、古典部シリーズとは違った少女像が素敵だと思う。
中世の時代、女性であるということは、けっこうなハンディだったと思うけれど、それに負けず、むしろ戦っている感じがして・・・。


一人の女の子の、今後が知りたい、他の出来事も知りたいと思わせてしまうのはやっぱり、作品・人物に力があるからだと思う。
ページの残りが少なくなってしまうのが、とっても残念だった。癖になりそうな予感がしています。