手作りと、読書と、あれこれ・・・

大学の意義を語る 〜 森博嗣の新作

 久しぶりに森博嗣の新作です。
 帯に「自伝的小説」とあるせいで、ついつい事実と誤認してしまいそうになった。
 こういう帯はいかんと思います。

喜嶋先生の静かな世界 (100周年書き下ろし)

喜嶋先生の静かな世界 (100周年書き下ろし)

 内容は、ざっくり言えば、一人の「研究者」ができるまで。
 学生が、卒論、修論などを通して、学問に出会っていく様子が中心。この部分は森作品のほかの物にもよく出てくるモチーフではあるが、より詩的に、それがより深く描かれている。
 いままでの著書(犀川シリーズ、瀬在丸シリーズ、真賀田四季シリーズ、Gシリーズなど)の、大学関係のエッセンスをぎゅうっと凝縮した感じでしょうか。
 
 私が経験した大学生活とは全く違う世界なのでとても新鮮。
 高校生の時に読んでいたら、大学が怖くなっちゃったなぁと思う。

 ただ学問に対する真摯で敬虔な気持ちは感じることができました。

 
 ちょっと、勉強したくなったなぁ。
 「いつからでもおそくなない」というお言葉が、宝物です。