大学の意義を語る 〜 森博嗣の新作
久しぶりに森博嗣の新作です。
帯に「自伝的小説」とあるせいで、ついつい事実と誤認してしまいそうになった。
こういう帯はいかんと思います。
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/10/26
- メディア: 単行本
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内容は、ざっくり言えば、一人の「研究者」ができるまで。
学生が、卒論、修論などを通して、学問に出会っていく様子が中心。この部分は森作品のほかの物にもよく出てくるモチーフではあるが、より詩的に、それがより深く描かれている。
いままでの著書(犀川シリーズ、瀬在丸シリーズ、真賀田四季シリーズ、Gシリーズなど)の、大学関係のエッセンスをぎゅうっと凝縮した感じでしょうか。
私が経験した大学生活とは全く違う世界なのでとても新鮮。
高校生の時に読んでいたら、大学が怖くなっちゃったなぁと思う。
ただ学問に対する真摯で敬虔な気持ちは感じることができました。
ちょっと、勉強したくなったなぁ。
「いつからでもおそくなない」というお言葉が、宝物です。