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手作りと、読書と、あれこれ・・・

 どんでん返しの道尾秀介特集!

 何冊読んでも、最後には騙されていたことに気づかされる道尾秀介。悔しいので特集にしました(←意味不明)。


ラットマン

ラットマン


 思い込みは、怖いのだ。心理学っぽいクイズなどによく出てくる、老婆にも若い女にも見える絵。人間は見たいようにものを見るという。うさぎだと思えばうさぎだし、カニだと思えばカニに見える月面の模様も同じ。
 「ラットマン」は、登場人物すべてが、何だか安っぽい演劇チックで、いまいちのめり込めなかったけれど、終わってみれば、勘違い・思い込みが生んだ悲しい数々にげんなりしつつも、ほっとしてしまう。
 いろいろ鬱屈があって大人になった人々が、こんなにあからさまにその鬱屈を、見せるもんかねぇ、と思ったり。ある種素直すぎる人々かも。



シャドウ (ミステリ・フロンティア)

シャドウ (ミステリ・フロンティア)


 何度も騙されてきたので、もう道尾秀介には騙されたくない。でも、また騙されてしまった。
 五年生の男の子が、女の子が、父が、父の親友が、その妻が、恩師が、まあいろいろな人が入れ替わり立ち替わり騙してくれるわけで・・・。勘違いや、思い込みがここでも伏線を隠して最後にどーんと来る。
 「あ、ここはちゃんと確認しなきゃ」とか「『・・・・・』の続きは何なの?」とか思っているうちに、いつの間にやら、術中のはまっている感じでした。



プロムナード

プロムナード


 さすがに、エッセイでは、騙されないでしょう。いや、もしかしたら、気づかないだけですっかり騙されているのかも。
 あの作品やこの作品に出てきた一場面を思い起こさせるエッセイがあったりして、ファンとしてはちょっと得した気分になりました。



カラスの親指 by rule of CROW’s thumb

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb


 この作品では、登場人物自身も騙し騙されているわけで、おあいこかと思います。道尾秀介にしては珍しく、軽い感じの詐欺師の話。後半、チームで詐欺を働くあたりで、伊坂のコウちゃんの「陽気なギャング」を思い出しました。



 騙されてばかりで悔しいけれど、それもまた良い味なので許してしまいます。
 次はどんな手で来るか、楽しみです。