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スタバへの道・・・人魚猛獣説  穂村弘

人魚猛獣説―スターバックスと私

人魚猛獣説―スターバックスと私


 穂村弘さんが好きだ。短歌は、なかなか読まないけれど、エッセイとか、好き。言葉をとっても大事にしていることが伝わってくる文章をお書きになる。

 本書は、スターバックスにまつわる短歌とエッセイ。

 スタバは、緊張する。

 ただコーヒーが飲みたいだけなのに、それを見つけることがなかなかできない。なんとかラテとかなんとかカプチーノとか。だいたい、ラテとカプチーノはどう違うんだろう。両方ミルク入りコーヒーに見えるけど・・・。

 などと、お店の前のメニューを見ながら困っていると、「こちらにどうぞ」といわれ・・・。
 イヤ、まだどうしたらいいのか悩んでいるわけで、こんなままで注文できないと思っていると「こちらにも、メニューあります」とか言われるし・・・。
 どきどきしながら、「普通のコーヒー」と言ってしまう私。「大きさはどうなさいますか?」と聞かれれば「普通で・・・」。
 どうして、S、M、Lじゃないんだろう。大中小でも良いのに。

 まぁ、このあたりで親切なグリーンエプロンのかっこいいお兄さんは、こちらを初心者だと見抜いて、実物のカップを見せて、より親切に説明してくれるわけで、あとは商品を受け取るだけなんだけれど、そこでもまた、自分が頼んだのをしっかり聞き分けて、間違えないように受け取るのに緊張してしまう。コーヒーを頼んだのに本日のコーヒーはいろいろあったりして、果たしてそれが自分のものなのか自信がなかったり・・・。混み合っているときは迷惑かけそう。

 という具合に、スタバはなかなか敷居が高いのですが、本書にも同じような気持ちの方々がたくさん出てきていらしたので、とても安心した。
 私が持つスタバに対する緊張と憧れ、そんな気持ちを、上手く短歌にしているなぁと、とてもうらやましく思う。「そうそう、そこよ!」と、かゆいところに手が届くような歌があってうれしい。

 受け取ってしまえばおいしいコーヒーなので、たくさん利用したいけれど、なんだかんだで、「お家に帰ってからのもう・・・」ということになってしまう。まだまだスタバへの道は険しいと感じています。