手作りと、読書と、あれこれ・・・

久々の宮部みゆき、ぜひぜひ

小暮写眞館 (書き下ろし100冊)

小暮写眞館 (書き下ろし100冊)


 花菱家が、引っ越した先は古い古い写真館。変人である父の一声で、もとの写真スタジオがリビングに・・・。引っ越し早々、一枚の写真が謎を呼ぶ・・・。

 宮部さん久々の、現代物。いや、もう、大満足・・・。読み終えるのがもったいない気がしました。とっても長いお話で、同日発売の京極さんの御本より厚い!しかも書き下ろし・・・。お疲れ様でした。

 高校生の花菱くん、お友だちの店子くん、そのほか同級生たち、弟の光、花菱父母、不動産屋の面々・・・、そして謎にかかわる人々。誰も彼も魅力的でキラキラしている。
 大事件が起こるわけでもなく、かといって「日常の謎」という感じでもない。普通の高校生が、学校で、家庭で、普通に生活しているうちにちょっといろいろなこと考えて、少しずつ大人になっていく感じかな。こう書くと、退屈しそうなんだけれど、ところがどっこい、すてきなお話になっている。

 それぞれの事情とか、生きづらさとか悩み、不安、本当にいろいろあるけれど、毎日の生活って大事だなと思った次第。誰かのために、心を動かせる優しい人にたくさん出会った気がします。

 表紙というか、カバーが良いですねぇ。春らしくて。
 線路の向こうには希望がある・・・と良いなぁ。