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手作りと、読書と、あれこれ・・・

追想五断章

 直木賞が決まりましたね。
 佐々木譲の中では、私は道警シリーズが好きです。不祥事に揺れた道警の中で、現場の刑事が体を張って正義を貫き、事件に取り組んでいる姿がかっこいいと思います。

 でも今日の本は、米澤穂信。追想五断章。

追想五断章

追想五断章


 大学を休学中の居候が、失われた5つの掌編を探して欲しいという依頼を受け、それを探し出していく…。その過程で、昔の事件や、依頼人の秘密や学生自身の鬱屈やらが明らかになって…、という感じ。主人公が探し出した5掌編が、作中作として出てくるのですが、こちらの魅力は私にとっては今ひとつ。また、米澤作品にしては(古典部シリーズや、小市民シリーズと違って)、無口で、熱量を感じさせない登場人物ばかり。時代背景が、バブル崩壊直後というせいか、ちょっと暗め。なんだかすごくさびれた、現実味のない空気感の中で、体温のない人物たちが粛々と動いている感じ。既読作品の小気味のよさを期待していたので、ちょっと肩すかし。セピア色の映画を見ているような気分になりました。