手作りと、読書と、あれこれ・・・

背の眼 道尾秀介

 昨年から読み始めた道尾秀介。次々と、新作が出ていますね。追いかける楽しみがあって良いですねぇ。寡作な作家さんは、「もう読むものがない!!」ってことになっちゃうので、どんどん新刊が出てくれるとうれしいです。

背の眼〈上〉 (幻冬舎文庫)

背の眼〈上〉 (幻冬舎文庫)


背の眼〈下〉 (幻冬舎文庫)

背の眼〈下〉 (幻冬舎文庫)


 背の眼は2004年第5回ホラーサスペンス大賞特別賞作。私は、ホラーは怖いのであまり読まないようにしています。(うっかりブラック乙一とか読んじゃったりしちゃうんですが…。)本作は、ホラーかもと思いつつ読んでいたら、探偵が事件解決に乗り出すので、そうかミステリかと思いなおして読んでいくと、霊とか、古い言い伝えとか出てきて、やっぱりホラー?!って思っていたら、最後は謎が解明されて…。ホラーミステリ、或いはミステリホラー(そのままじゃん)。いいとこ取りの1冊でした。

 作家の道尾が出会った不思議な事件を、旧友の真備と共に調べるって言うのがざっくりの大筋。
 伝説やうんちくなどの語り具合は、京極堂にまけずおとらず?。そう思っていくと、道尾先生は関口先生だし、北見さんは、敦子ちゃんになってしまう。(映画・「姑獲鳥の夏」、「魍魎の筺」の3人をイメージしてしまった、いかんいかん。)

 現在「球体の蛇」が、直木賞候補に挙がっています。(『カラスの親指』=第140回直木賞候補、『鬼の跫音』=第141回直木賞候補に続いて3回目)。まだまだと思う反面、もう直木賞なんだと、納得してしまう自分もあります。秘密にしておきたいけど、みんなに言いふらしたいみたいな…。これからも、すてきな作品が楽しみです。
(他の作品については、いずれまた)